コラムColumn

【ライフスタイル】ビタミンD不足は脳卒中リスクを高める!

病気脳食

Posted on 2012.2.10

39紫外線をたくさん浴びると皮膚がんなどのリスクが高まることはすでに報告されていますが、1万6千人にも及ぶ研究データを分析した結果、十分に紫外線を浴びないと脳卒中のリスクが56%も高まることが、米国アラバマ大学のLeslie McClure博士らによって、アメリカ脳卒中協会の国際脳卒中会議で報告されました。
ビタミンDは、ヒトの皮膚が紫外線B波に接したときに体内で生産されるビタミンです。食品ではキノコ類、乳製品、卵黄、ウナギなどに含まれています。
これは45歳以上の16529人を対象にした、REGARDSと呼ばれる研究で、居住地域および人種の違いによる心臓病の発症について調べたものです。参加者は6か月ごとに心血管病の発症の有無を検査し、生まれた場所や現在住んでいる場所について、質問表に回答し、5年間フォローアップされました。また、日光に曝露された量や温度を正確に測定するために、NASAからの衛星と地上のモニターのデータも活用しました。さらに年齢、人種、教育水準、収縮期血圧、性別、所得、身体活動、テレビの視聴時間、BMIなどを考慮して調整・分析した結果、日光に曝露された時間が短いこと、極端に温度が高い地域や低い地域に住むことが、脳卒中のリスクを高めている可能性があることが明らかになりました。
さらに研究者らは、21400人の65歳以上の研究参加者に、5年間にわたり、半年ごとに脳卒中が起きたかどうかと、認知機能の低下について調べつづけました。この研究では、参加者に1年間、食生活に関する質問も実施。その結果、食生活の内容を分析してみると、ビタミンDのレベルが高い人はそうでない人に比べて、脳卒中のリスクが11%低く、認知障害のリスクも 24%低いことが明らかになりました。
もともとビタミンDは、骨の健康に必要なものであると言われていましたが、さまざまな研究の結果、ビタミンDには、炎症を抑制したり、免疫機能を高めたり、血管や心臓の機能を改善したり、認知や情緒に関する脳の機能も改善することが報告され、細胞そのものの老化予防のために、注目されているビタミンで、さらなる研究結果が待たれるとことです