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血圧が左右の腕で違ったら血管性疾患の危険信号!

病気

Posted on 2012.2.15



英国・エクセター大学Christopher E. Clark博士らがLancet 2012年1月30日オンライン版に発表した研究で、測定された血圧が左右の腕で異なる場合、それが心血管疾患と、死亡リスクの危険信号であることが明らかになりました。

博 士らはこれまでの研究で、左右の腕で測定された収縮期血圧が異なることが、末梢血管疾患に関連していることが示唆されているため、発表された関連する研究 をメタ分析し、左右の血圧の違いと、心血管および末梢血管疾患、鎖骨下動脈狭窄症と、死亡リスクとの関係を分析しました。

2011年7月ま でに発表された、左右の腕で測定された血圧の違いと鎖骨下動脈狭窄症、末梢血管疾患、脳血管疾患、循環器疾患、および生存率に関する18歳以上を分析対象 とした、20の研究からデータを得て、調査分析した結果、収縮期血圧が左右で15㎜Hg以上異なると、心血管系の原因による死亡リスクが70%も高くな り、また原因を問わず死亡リスクが60%高いことも明らかになりました。

また末梢血管疾患の場合は96%、脳血管疾患の場合は93%がこの左右の収縮期血圧の15㎜Hg 以上の違いが見られることもわかりました。
博士らはこの結果から、こうした血圧が左右の腕で15㎜Hg 以上異なる人はハイリスク・グループとして心血管疾患の詳しい検査を行うことが求められリスク要因を徹底的に管理する必要があるだろうとしています。

医療ジャーナリスト 宇山恵子

Lancet 2012年1月30日オンライン版