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放射線被害⁉ 増える〝チェルノブイリ膀胱炎〞

病気

Posted on 2012.8.2

 

 


1986年に発生したウクライナ共和国のチェルノブイリ原発事故後、周辺住民約1000万人は、 低線量のセシウム被曝により、持続的にさまざまな健康被害を受けている可能性が危惧されている。

そのひとつが大阪市立大学大学院 医学研究科都市環境病理学の研究によって指摘された〝チェルノブ イリ膀胱炎〞と呼ばれる慢性膀胱炎。

この原因には、酸化的ストレ スとp 53 遺伝子変異が関係しており、従来の膀胱炎とは明らかに性質の異なる膀胱炎が事故後に増えているという。

’86 年から2006 年の間の膀胱がんの発症件数も、 人口 10 万人に対し、 26 ・2人から 50 ・3人に増加した。

その原因として、尿中に排泄されるセシウムに、膀胱粘膜が長期間さらされていることが考えられるという。

汚染地域に住む前立腺肥大症の人の膀胱には、上皮異形成や上皮内がん、尿路上皮がんが高率に認められたという。長期間の低線量セシ ウム被曝は、従来の高線量放射線 被曝による炎症や発がんとは違ったメカニズムによって、膀胱に病変を起こす可能性が指摘された。

医学会レポート(第100回日本泌尿器科学会総会会期:2012年4月21日~24日 会場:パシフィコ横浜)

泌 尿器は、血液に混じった不要な老廃物をろ過して尿として排出し、血液・体液の状態を一定に保つ重要な役割を担っている。このシステムを正常に保つための治 療や病気の予防に関して研究を進めるのがこの学会だ。