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アスピリンを毎日服用するとがん死亡のリスクが減少する!

病気

Posted on 2012.8.24



解熱鎮痛薬のアスピリン(アセチルサルチル酸)は、市販されてから100年 以上も経つ商業的に最も成功した薬として知られていますが、頭痛や鎮痛の目的で使用される以外にも、脳梗塞や虚血性心疾患のリスクを減らす作用が確認され るなど、歴史は古くても、まだまだ薬品としての評価は高まりこそすれ、時代遅れになってはいないとされています。
また最近ではがんによる死 亡リスクを低下させる可能性を示唆するデータも明らかにされていましたが、米国・ノースカロライナ大学医学部のJohn.A.Baron博士らが、 Journal of the National Cancer Institute 2012年8月10日オンライン版に発表した大規模なメタ研究で、毎日アスピリンの服用を継続することが、がんでの死亡リスクを、さ ほど高くはないものの、明らかに低下させていることが確認されました。
博士らは以前に実施されたアスピリンの血管疾患予防効果を調査する臨 床実験において5年以上継続して服用した場合、がんによる死亡リスクが31%低下したとするデータが発表され、その後も多くの研究が発表されていることか ら、実際の効果がどの程度であるのかを詳しく分析する研究を企画しました。
アスピリンの服用状況とがんによる死亡の関係につい て100.139人を対象に20年継続して得られたデータから分析した結果、5年以上アスピリンを毎日服用していると、全てのがんによる死亡リスクが 16%低下すること、特に胃腸がんでは40%も低下することが明らかになりました。
この結果について博士らは、効果は確認されたものの、が ん予防のためにアスピリンを服用することを全ての人に勧めるためには未確認のデータも多く、例えば小容量のアスピリンの服用が胃腸などの消化管出血のリス クを増大させることも知られていることから、さらに詳しく研究がすすめられるべきであり、必ず医師に相談しながら服用して欲しいとしています。
医療ジャーナリスト 宇山恵子
Journal of the National Cancer Institute 2012年8月10日オンライン版