コラムColumn

O型の人は他の血液型よりも冠動脈疾患リスクが低い!

病気

Posted on 2012.9.22

 


一般に知られている血液型性格診断は、最近の心理学関連の研究結果から、ほとんど根拠がないと考えられているようですが、一方で疾患リスクと血液型に関係があることを示唆する研究は、さまざまな分野で発表されています。

米 国・ハーバード大学公衆衛生学部のLu Qi博士らがArteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology 2012年8月14日オンライン版に発表した研究によると、A型,B型,AB型の人はO型の人よりも冠動脈疾患リスクが高いことが明らか になりました。

博士らはまず最初に62.073人の女性(調査開始時点で30-55歳)と27.428人の男性(調査開始時点で40-75歳)合わせて89501人を対象にした20年以上に渡るデータを分析しました。

調 査対象者に関するデータは健康状態と食生活を含むライフスタイルに関してのものと、血液型(本人が知っていればRh±も)に関するものでした。さらにもう ひとつの分析対象データとして血液型と心血管疾患も含む健康データを含んだ7つの研究から得た114.648人(おもに白人男女)のデータもメタ分析しま した。

最初の男女のデータでは調査期間の20数年の間に2.055人が冠動脈疾患を発症しており、メタ分析の対象データでは5.741人が 冠動脈疾患を発症していました。冠動脈疾患に影響を与える要因として考えられる、年齢、喫煙、BMI値、飲酒、両親が60歳以前に冠動脈疾患を発症したか 否か、アスピリンの服用、女性に関しては閉経の前後とホルモン療法高血圧症、高コレステロール血症など影響を取り除いて、血液型と冠動脈疾患の関係を分 析した結果、最初の89.501人のデータではO型と比較するとB型で15%、AB型で23%、A型で6%それぞれ発症リスクが高いことが明らかになりま した。また114.648人を対象としたメタ分析においても、O型と比較してO型以外の全体が11%冠動脈疾患リスクが高いことも分かりました。

博士らはABO型血液型は冠動脈新刊リスクと関連しておりO型血液の人が中程度ではあるがリスクが低いことが明らかになったとしています。

Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology 2012年8月14日オンライン版