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サクランボを食べると痛風発作リスクが35%低下する!

病気食

Posted on 2012.11.19

 


痛風はその発作による激しい痛みと再発を繰り返すことで、関節が変形してい くことがよく知られていますが、遺伝的な体質と飲酒や肉類の過剰摂取などが、そのリスクを高めており、米国では830万人もの成人患者が痛風に苦しんでい るといわれています。こうした患者にとっては、恐怖そのものであるともいえる痛風発作の発症が、サクランボを2日間食べるだけで、なんら果物を食べない患 者に比べて35%も減少することが、米国ボストン大学のYuqing Zhang博士らがArthritis & Rheumatism 2012年9月28日オンライン版に発表した研究で明らかになりました。

これまでの研究からサクランボが痛風の原因 となる尿酸値の血中濃度を低下させる効果が示唆されていましたが、発作リスクとの関係は明らかになっていなかったため、博士らは633人(平均年齢54 歳)の痛風患者を被験者としてサクランボの摂取効果を調べるために、1年間継続的に調査し、発作の前兆と開始日時、症状、薬物療法の内容、きっかけとなる リスク要因、発作前2日間のサクランボまたはサクランボ抽出エキスの摂取状況などのデータを得て詳しく分析しました。

1サーブあたりのサクランボは10~12粒ないしカップ半分で、2日当たり3サーブの摂取量までは摂取量に比例して痛風の発赤、発作が減少していることがわかりました(ただしそれ以上とっても低減効果なし)。

そしてサクランボの摂取が上記のように痛風発作リスクを35%低下させ、またサクランボと同時に尿酸値を低下させる薬を服用していた場合は、サクランボか薬かを摂取していない場合に比べて、発作発症リスクが75%も低減していることが明らかになりました。

博士らはこの研究結果から、サクランボが痛風患者に有効であることは明らかになったが、通常の治療は止めないでほしいとし、さらにサクランボの効果を詳しく研究する必要があるとしています。