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危険なお皿~メラミン食器で熱い料理は避けて!

病気食

Posted on 2013.2.2



メラミン樹脂を使った食器は、手頃な価格でカラフルなものが多く、傷がつきにくく割れないので、子供用のかわいいキャラクター付きの食器などで人気です。ご使用中の人は、電子レンジやオーブンレンジには使用できないことをよくご存知だと思います。メラミンは摂取しても24時間以内に尿と一緒に排出されるため、急性の毒性はほとんど見られませんが、慢性的に摂取することで、尿が結晶化して、膀胱結石や腎臓の尿細管障害を引き起こすリスクがあることが動物実験で明らかになっています。2008年に中国で起きた乳幼児用調整乳にメラミンが混入していた事件では、29.4万人に腎臓結石などの被害が出ました。

2013年1月22日発行のJAMA Internal Medicineに掲載された台湾高雄医科大学Chia-Fang Wu博士らの研究によると、メラミン食器でスープを飲んだ場合、陶器の食器でスープを飲んだときよりも約6倍もメラミンの排泄量が多く、体内にメラミンが入ってしまうことがわかりました。

これは20~27歳の男女12人にスープ麺をメラミン食器と陶器で食べた場合の12時間後の尿中のメラミン排出量を調べました。陶器の場合は1.31mcgだったのに対し、メラミン食器の場合は7.04mcgも尿にメラミンが含まれていました。

この結果について研究者らは、スープやラーメン、揚げ物、炒めものなど、高温の食事を食べるときにメラミン食器を使うと、腎臓や膀胱にダメージを与えるリスクを持つメラミンを摂取して、体内に取り込んでしまうことになるため、注意を促しています。

JAMA Internal Med 2013; DOI: 10.1001 /jamainternmed.2013.1569.