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幹細胞を用いた炎症性腸疾患(IBD)の治療の可能性

病気

Posted on 2013.11.13

ケンブリッジ大学とコペンハーゲン大学の幹細胞を移植する炎症性腸疾患(IBD)の治療の可能性についての研究が、2013年10月号の科学雑誌『Cell Stem Cell』に掲載されました。潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)は、消化管に原因不明の炎症が慢性的に起こることで、消化管の機能が損なわれ、下痢・腹痛・血便・下血・発熱・体重減少などを起こす慢性病で、治療が難しいと言われています。イギリスケンブリッジ大学とデンマークコペンハーゲン大学のマウスを用いた研究によると、炎症が起きている腸管部分に腸の幹細胞を移植することで、健康な腸管が再生し、IBDの症状を緩和することが確認されました。研究者によると、皮膚の細胞などからiPS細胞を作製して、それを腸の幹細胞に分化して移植することで、IBDの治療に役立てることが可能になるかもしれないと述べ、さらなる研究を進め、人への応用の可能性について探ると述べています。 Jensen et al. Transplantation of Expanded Fetal Intestinal Progenitors Contributes to Colon Regeneration after Injury. Cell Stem Cell, October 2013