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揚げ物は結腸の炎症を悪化しがんリスクを高める可能性

病気食

Posted on 2019.8.25

揚げ物は大腸(特に結腸)の炎症を悪化させ、腫瘍の成長を促進してがんリスクを高めてしまう可能性があることが、米国マサチューセッツ大学アマースト校の動物実験の結果で明らかになり、2019年8月23日の『Cancer Prevention research』に発表されました。

この研究によると、炎症性腸疾患(IBD)や結腸がんのリスクが高い人は、揚げ物の油が大腸の炎症を悪化させて腫瘍を大きく成長させたり、腸内細菌が悪玉化して血管内に侵入して、全身の細胞に悪影響を及ぼす可能性があると指摘しています。

この実験に使用されたのは、揚げ物によく利用されているキャノーラ油(菜種油)で、世界ではパーム油、大豆油に次いでよく利用されている植物油です。

研究者は、油が過熱されたときに発生する多価不飽和脂肪酸の酸化化合物が、腸内の炎症を引き起こすことが関係していると示唆し、IBDの患者さんや腸の炎症を起こしやすい人は、揚げ物を食べる回数を減らすなどの配慮をする必要があると述べています。

Jianan Zhang, Xijing Chen, Ran Yang, Qin Ma, Weipeng Qi, Katherine Z. Sanidad, Yeonhwa Park, Daeyoung Kim, Eric A. Decker, Guodong Zhang. Thermally processed oil exaggerates colonic inflammation and colitis-associated colon tumorigenesis in mice. Cancer Prevention Research, 2019