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夜間の高血圧はアルツハイマー病リスクを高める

病気老化脳

Posted on 2021.3.27

夜間の高血圧はアルツハイマー病のリスクを高めることが、スウェーデンのウプサラ大学の研究で明らかになり、2021年2月の『Hypertention』に掲載されました。

これは、約1000人のスウェーデン人高齢男性の24年間にわたる健康調査データを分析したもの。その結果、夜間に高血圧の高齢男性は、夜間の血圧が正常な男性に比べて、1.64倍ほど、アルツハイマー病の発症リスクが高いことが明らかになりました。

この結果について研究者は、睡眠中は脳にとって老廃物を一掃して脳機能を正常に維持する重要な時間であり、健康な人であれば夜間にもっとも血圧が低くなるが、夜間の高血圧が起こることによって脳のクリアランスが正常に行われずに、アルツハイマー病のリスクが高まっている可能性があると指摘します。

さらに、今後の研究では夜間の降圧薬の摂取が夜間高血圧の男性のアルツハイマー病リスクを下げるかどうかについて検証を進めるそうです。

【出典】Xiao Tan , Johan Sundström , Lars Lind , Kristin Franzon , Lena Kilander , Christian Benedict. Reverse Dipping of Systolic Blood Pressure Is Associated With Increased Dementia Risk in Older Men: A Longitudinal Study Over 24 Years. Hypertension, 2021 DOI: 10.1161/HYPERTENSIONAHA.120.16711