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買い物、庭仕事、散歩で骨折リスクを低下

病気老化運動

Posted on 2021.8.31

買い物、ガーデニング、散歩などの軽い運動でも、転倒や骨折による運動障害を予防できることが米国カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究で明らかになり、2021年2月23日号オンライン版『JAMA Network Open』で発表されました。この研究は、 身体活動と心血管の健康に関する研究に登録された、63歳以上の5,735人の米国在住の女性を対象に行われたものです。差安価者の身体活動を正確に把握するために身体活動を測定する装置を7日間装着した結果、 軽い身体活動に費やされた平均時間は1日あたり4.8時間でした。そして 身体活動の時間が最も長いグループの女性は、身体活動の時間が最も短い女性のグループに比べて、運動障害のリスクが46%低いことがわかりました。軽い身体活動をする時間を長く持つことは、肥満のある女性、肥満のない女性に関係なく、運動障害のリスクを減らしましたが、BMIが30未満の女性のほうが軽い身体活動を活発に行うことによる運動障害リスクの下げる効果を得やすいことがわかりました。この結果について研究者は、米国では、週に150分の中程度から激しい運動や身体活動を推奨する健康指導のガイドラインがありますが、加齢とともにそれを実行するのが難しくなっていく人々(特に女性)が増えていることを指摘します。そしてこれを改善するために、軽い身体活動の健康効果に着目し、今回の研究をスタートしたそうです。そして年齢とともに身体活動のレベルが低下したり、自立性を失わないためにも、買い物、ガーデニング、散歩、家事などで体を無理なく動かす時間を多く持てば、運動障害リスクを低下できる可能性があることが今回の研究で明らかになったと述べています。

【出典】Nicole L. Glass, John Bellettiere, Purva Jain, Michael J. LaMonte, Andrea Z. LaCroix. Evaluation of Light Physical Activity Measured by Accelerometry and Mobility Disability During a 6-Year Follow-up in Older Women. JAMA Network Open, 2021; 4 (2): e210005 DOI: 10.1001/jamanetworkopen.2021.0005