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ピーナッツ、ハーブ、スパイスは腸内細菌叢を元気にする

病気老化食

Posted on 2022.12.7

 1日に1オンスのピーナッツまたはティースプーン1杯程度のハーブとスパイスを食事に加えると、健康の指標である腸内細菌の組成に良い影響を与える可能性があることが、米国ペンシルベニア大学の研究で明らかになり、2022年11月の「Clinical Nutrition」「The Journal of Nutrition」で紹介されました。
人間の腸内微生物叢は、腸管内に生息する何兆もの微生物の集まりです。そこにいるバクテリアは、代謝や免疫システムの構築と維持を含む、全身のほぼすべてのシステムに影響を与える可能性があります。

この研究では、1 日あたり 28 グラム (約 1 オンス) のピーナッツと、より炭水化物の多いスナック (クラッカーとチーズ) の間食を6週間食べた後の変化を比較しました。 その結果、ピーナッツスナックを食べた参加者は、健康な肝臓代謝と免疫機能に関連する細菌のグループであるルミノコッカス属の量が増加していることがわかりました。

さらにハーブとスパイスの研究では、シナモン、ジンジャー、クミン、ターメリック、ローズマリー、オレガノ、バジル、タイムなどのハーブとスパイスのブレンドを食事に加えることの影響を分析するために新血管疾患病リスクのある被験者を4週間にわたり比較観察しました。その結果、中用量および高用量のハーブとスパイスを4週間食べ続けたことで、ルミノコッカス属の増加を含む腸内細菌の多様性の増加が確認されました。

ハーブやスパイス、ピーナッツなどを毎日の食生活に取り入れることで、腸内細菌叢の改善が期待できるというのは、とても簡単な方法なので、腸内細菌叢を元気にしたいと思う人は、ぜひトライしてみてください。

【出典】

Philip A. Sapp, Penny M. Kris-Etherton, Elke A. Arnesen, Jeremy R. Chen See, Regina Lamendella, Kristina S. Petersen. Peanuts as a nighttime snack enrich butyrate-producing bacteria compared to an isocaloric lower-fat higher-carbohydrate snack in adults with elevated fasting glucose: A randomized crossover trial. Clinical Nutrition, 2022; 41 (10): 2169 DOI: 10.1016/j.clnu.2022.08.004

 

Kristina S Petersen, Samantha Anderson, Jeremy R Chen See, Jillian Leister, Penny M Kris-Etherton, Regina Lamendella. Herbs and Spices Modulate Gut Bacterial Composition in Adults at Risk for CVD: Results of a Prespecified Exploratory Analysis from a Randomized, Crossover, Controlled-Feeding Study. The Journal of Nutrition, 2022; 152 (11): 2461 DOI: 10.1093/jn/nxac201