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ビタミンKは骨折リスクを下げる

病気老化食

Posted on 2022.12.8

ビタミンKの摂取量が多いほど、高齢者の骨折リスクが低いことが、オーストラリアのエディス・コーワン大学の研究で明らかになり、2022年11月の「Food & Function」で研究成果が紹介されました。

この研究は、14.5年間にわたって、1400人のオーストラリア人女性の骨折関連の入院とビタミンKの摂取量の相関関係について調べたものです。それによると、1日100㎍以上のビタミンKを摂取した高齢女性は、摂取しない高齢女性に比べて、31%も骨折リスクが低いことがわかりました。さらに股関節の骨折リスクに関しては、49%も低下していることが確認されました。

100㎍のビタミンKを摂取するためには、緑黄色野菜を125g、または野菜サラダを2皿程度食べるのが目安だそうです。また具体的にビタミンKが豊富な野菜としては、ケール、ほうれん草、ブロッコリー、インゲンなどがあり、果物は、プルーン、アボカド、キウイなどがあります。

ビタミンKは、骨の新陳代謝を正常に維持・改善することで、骨の健康を守る役割を果たしていることが基礎研究で判明していることから、この程度の野菜の摂取でビタミンKを摂取することで、高齢者の骨折リスクを低下できるので、ぜひ食生活に取り入れましょう。

【出典】

Marc Sim, Andre Strydom, Lauren C. Blekkenhorst, Nicola P. Bondonno, Rachel McCormick, Wai H. Lim, Kun Zhu, Elizabeth Byrnes, Jonathan M. Hodgson, Joshua R. Lewis, Richard L. Prince. Dietary Vitamin K1 intake is associated with lower long-term fracture-related hospitalization risk: the Perth longitudinal study of ageing women. Food & Function, 2022; 13 (20): 10642 DOI: 10.1039/D2FO02494B