コラムColumn

【食】魚好きの男性は糖尿病リスクが低い!

男性病気食

Posted on 2011.7.31

saka独立行政法人国立国際医療センター疫学予防研究部の南里明子上席研究員らがAmerican Journal of Clinical Nutrition 2011年7月20日オンライン版に発表した研究で、魚を食べる頻度が多い男性は2型糖尿病を発症するリスクが低いことが明らかにな りました。
南里上席研究員らは糖尿病ではない45歳から75歳の日本人(男性22.921人、女性29.759人)を対象に147項目の食品頻度アンケート調査を実施し、その後5年間の2型糖尿病発症状況との関係を調査分析しました。
5 年間に男性572人、女性399人が2型糖尿病を発症したと診断されましたが、データを分析した結果、魚を食べる頻度順で高い方から25%ずつ4階層に分 けた場合、他の要因を補正した上で魚と他の海産物を最もよく食べる最上位の25%の男性は、最下位の25%に区分された魚をあまり食べない男性に比べて、 2型糖尿病を発症するリスクが、オッズ比で0.73と低く、詳しく見た場合、アジ、イワシ、サンマ、サバ、ウナギを良く食べている最上位25%は、最下位 25%の男性よりも、2型糖尿病を発症するオッズ比が0.68と更に低いことがわかりました。
しかしながら女性に関しては、こうした魚と海産物の消費量は、2型糖尿病の発症リスクに影響を与えていませんでした。
こ の研究結果に関して研究グループでは、男性に関しては魚食が、そのプロセスについてはグルコース代謝に与える影響を、今後更に研究する必要はあるものの、 2型糖尿病予防に効果があることは明らかであるとしています。また女性に関しては、男性よりも体脂肪が多く、結果として脂溶性化学物質の蓄積量が高いため に魚食によるグルコース代謝改善効果が男性のように働かない可能性が考えられるのではないかとしています。