コラムColumn

不安感は腸内細菌が不足しているからかも

心理

Posted on 2011.4.10



カナダ・オンタリオ州ハミルトン市のマックマスター大学のJane Foster准教授らがNeurogastroenterology and Motility 2011年3月号に発表した研究で、我々の腸内にいる細菌と、脳との間で生じている相互の応答とも言える作用が、精神神経疾患や腸疾 患、肥満などの健康問題の発生、発症に大きな役割を果している可能性があることがわかりました。

准教授らは腸内細菌が学習や記憶にどのよう に影響しているかを調べる目的で、無菌のマウスと特定病原体除去マウスを使用して実験調査しました。実験では高架式十字迷路(マウスなどの小動物の不安を 調べるための実験装置)での、それぞれのマウスの反応を調べると同時に、不安とストレス反応に関する脳内における遺伝子や神経伝達物質レベルの変化が調べ られました。

分析の結果、無菌マウスのほうが抗不安行動と解釈される行動が多く、学習と記憶に重要な機能を果す脳の海馬に遺伝子レベルの変 化が発見されました。

准教授はこの原因について、腸内細菌が脳内の神経回路を変化させることで不安行動に影響するためであると考えられとし、人においても 免疫システムと腸内細菌が絶えず相互コミュニケーションしつつ、脳に影響を与えることで、性格に影響を与えるのではないかと考えることが可能であり、神経 症や肥満への新たなアプローチにもなるのではないかとしています。

Neurogastroenterology and Motility 2011年3月号