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やけ食いやドカ食いはさらに気分を落ち込ませる!

心理

Posted on 2013.4.2

phm21_0394-sストレスフルな出来事があったときに、いつもは手を出さないジャンクフードを食べてしまったり、1個で我慢しているケーキを、立て続けに2個3個と食べてしまう、などということは、摂食障害とは無縁の、健康に気をつけている一般人でも、経験することですが、こうした自棄食いやドカ食いをすると、その後さらに気分が落ち込み、心理状態が悪化してしまうことが、米国・ペンシルベニア州立大学のKristin Heron博士らが2013年3月13-16日にフロリダ州マイアミで開催されたアメリカ心身医学会(APS)71回大会で発表した研究で、明らかになりました。
博士らは日常生活の中で生じる不健康な食経験と、気分の変化を詳しく調べるために、131人の女子大学生を対象に調査しました。被験者として選ばれたのは摂食障害ではないものの、普通よりも高いレベルで体型と体重を気にし、かつ不健康な食習慣を持つ女子大学生で、彼女たちに小型の携帯タイプのPCを渡して、日常生活の中で1日に数回、気分と食行動に関しての質問に対し回答させ、記録させました。
データを分析した結果、不健康な食行動の直前には、気分の変化や気分の落ち込みがほとんどなかったにもかかわらず、不健康な食行動をしてしまった後に、ネガティブで抑うつ的な気分が大きくなり、落ち込んでしまうことが分かりました。一方、ポジティブな気分は、どのような行動に関しても、行う前と後で大きな変化が生じるということはありませんでした。
博士らは今回の食行動と情動の変化についての研究結果は、体重の過剰な管理と不健康な食行動を持つ若い女性に対する、効果的な介入法の開発に役立つはずだとしています。
71st annual meeting of the American Psychosomatic Society 2013