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同じ政治姿勢の体臭はイイ香り

心理

Posted on 2014.9.24

af0100020611政治姿勢が異なる人とは、時に口論になったり、ケンカをしてぶつかり合うものですが、同じ政治姿勢の人とは不思議とケンカにはならず、一緒にいても、気持 ちが通じ合って楽しいものです。実はその原因に、なんと「体臭」が関係しているかもしれないという、おもしろい研究を紹介しましょう。
保 守派VS強硬派、タカ派VSハト派、右派VS左派など、政治に対する考え方、姿勢が異なる人の体臭は「悪臭」と感じ、政治的傾向が似ている人の体臭は「良 い臭い」と感じることが、米国ブラウン大学、ハーバード大学、ペンシルベニア州立大学の研究で明らかになり、2014年9月2日のオンライン版 『American Journal of Political Science』に掲載されました。
この研究は、146人の参加者に、自分自身の政治的姿勢に関するアンケートに答えてもらい、その後、保守的姿勢が強い第三者の体臭と、強硬的な姿勢の強い第三者の体臭を嗅いでもらい、それぞれの体臭に対する感想を記録しました。
第三者と被験者は一度も面識がなく、被験者には調査の意図などについては説明をしていない状態でデータを集めました。
その結果、保守的な姿勢の被験者は、保守的な第三者の体臭を好み、強硬的な姿勢の被験者は、強硬的な第三者の体臭を好むことが明らかになりました。
こ の結果について研究者らは、香り(体臭)の情報は、私たちが自分では気がつかない、潜在的な興味や関心を反映する政治的なイデオロギーに関して、自分が長 期的には強硬派の姿勢の方が合うのか、保守派の姿勢の方が合うのかを判断するための材料として伝達されているのではないかと分析しています。
Assortative Mating on Ideology Could Operate Through Olfactory Cues. American Journal of Political Science, 2014