コラムColumn

人はグラフやデータがあると簡単に信じてしまう

心理

Posted on 2014.10.20

サプリメントや健康食品のCMやパンフレットには、いかにも効果がありそうな右肩上がりのグラフや、夢のようなダイエットに成功した人の数字が、よく使われています。
そ れは我々が、医学的な数字やグラフなどのデータに弱く、そのデータが確かなものであるかどうかにかかわらず、簡単に信じ込んでしまう傾向があるからで、十 分に注意しなければいけないことが、米国コーネル大学の研究によって明らかになり、2014年10月の『Public Understanding of Science』で発表されました。
研究では、被験者の一般人に、医学的なグラフやデータ入りの説明書付きの薬と、データや数字の裏付けのない説明書付きの薬を見せたとき、グラフやデータ入りの薬に対して効果がありそうだと感じた人は96.6%だったのに対し、データなしの薬は67.7%に留まりました。
この結果について研究者は、データやグラフに対して簡単に信じることは危険で、数字の意味や医学的な裏付けがわからないものを目にしたときは、それが「ただの訳のわからない数字だ」と割り切って考えて、簡単に信じ込まないように注意を喚起しています。
Blinded with science: Trivial graphs and formulas increase ad persuasiveness and belief in product efficacy. Public Understanding of Science, 2014