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太ると給料で損をする?!

心理

Posted on 2014.11.13

スウェーデン、イギリス、アメリカの大規模な研究で、肥満の若者は、そうでない若者に比べて、18%も賃金が低いことが明らかになり、2014年9月の科学雑誌『Demography』に掲載されました。
こ れはスウェーデンで1984年から1997年に兵役を受けたスウェーデン生まれの145,193人のデータを分析したもの。データには、記憶、注意力、論 理性、合理性などの認知能力と、やる気、自信、社会性、根気強さなどの非認知能力に関する評価結果も含まれていました。
研究者たちは、被験者たちが28歳~39歳になった時点(2003年)の年収についてもデータを集めました。一方で同様のデータがイギリスの研究者たちによって集められ、スウェーデンの結果を比較することになりました。
その結果、肥満体型の若者たちは、標準体型の若者に比べて18%も年収が低いことが明らかになりました。
研 究者たちは、肥満の若者たちが、幼少期から親や友人からいじめや差別を受けてきたことで、自尊心、自信が持てず、社会的に不平等な立場で育つことで、認知 能力も低くなってしまい、結果的にそれが、仕事を処理する能力を低下させているため、低い賃金になっているのではないかと分析しています。
ア メリカでは低所得者層の子どもに肥満や生活習慣病が多いことも明らかです。肥満は健康を害して医療費の増大を招くだけでなく、国の経済成長と生産性に長期 的な悪影響を及ぼす可能性があります。研究者は、乳幼児期から肥満や生活習慣病にならないような教育プログラムを行い、国の政策として真剣に取り組む必要 があることを指摘しています。
Body Size, Skills, and Income: Evidence From 150,000 Teenage Siblings. Demography, 2014