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頭を動かすと感情が伝わりやすい

心理

Posted on 2015.11.4

phm23_0579-s歌手が感情移入して歌っているときに、頭を動かすことが良くありますね。清水アキラさんやコロッケさんをはじめとする上手なモノマネ芸人さんは、頭の動きの特徴を上手にまねして「ご本人らしさ」を出しています。
実は頭を動かして感情を伝える方法は、心理学的にも効果があることが明らかになりました。
カナダ・モントリオールのマクギル大学の研究によると、人の頭の動きが、感情を伝える上で重要な役割を持つことが明らかになり、2015年10月の心理学系科学雑誌『Emotion』に発表されました。
この研究は、ある歌手が歌っているビデオクリップを、音声なし、さらに歌手の顔の表情も隠して被験者に見せて、頭の動きだけで指定されたそれぞれの場面に対する印象を、「とても幸せ」、「幸せ」、「普通」、「悲しい」、「とても悲しい」の5つに評価・分類してもらいました。
その結果、音や表情がわからなくても、歌手の頭の動きだけで、かなり正確に歌手が伝えようとしている感情を読み取ることができることが明らかになりました。
この結果について研究者らは、今回は英語圏の人だけを対象に実験を行ったため、今後は異なる言語圏同士でも同じ結果になるかどうかを検証するとともに、音が聞こえにくい場所や、耳の聞こえが悪い人に対するコミュニケーションの有効なツールとして「頭の動き」があることを広め、さらにはロボットなどにも応用してみたいと述べています。
カラオケを歌うときには、ぜひ頭を動かして熱唱してください!
Head Movements Encode Emotions During Speech and Song.. Emotion, 2015; DOI: 10.1037/emo0000106