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ストレスは回数より受け止め方で心臓に悪影響を及ぼす

心理

Posted on 2016.2.28

ストレスや怒り・悲しみなど、負の感情を抱くことが、心臓病のリスクを高めることはよく知られていますが、具体的なメカニズムや、ストレスや怒り・悲しみなどのレベルや頻度(回数)と心臓病リスクの関係性に関して詳しく解明されてはいません。
米国ペンシルベニア大学の研究によると、ストレスや不安・怒りなどを感じる頻度(回数)よりも、それをより深刻に受け止めて、強い不安を感じたり、怒りや不満を抱くことが、心臓病を引き起こすリスクを高めていることが明らかになり、2016年2月の『Psychosomatic Medicine』で発表されました。
この研究は、35歳~85歳までの909人の被験者に心電計を装着し、電話で8日間連続で質問に答えてもらいながら、そのときの心電図を記録すると同時に、電話のやり取りや質問内容に対する被験者のストレス度と、電話以外のときに感じた1日のストレスの回数や負の感情の回数についてのアンケートに回答してもらいました。
その結果、ストレスや負の感情を受ける頻度(回数)よりも、そのストレスをどのように受け止めるかが、心臓病リスクと関係していることが明らかにまりました。
つまり、ストレスを受けた頻度(回数)よりも、ストレスに対して怒りや不満、不安を感じたり、ストレスをネガティブに受け止てしまうことの方が、心臓病のリスクを高めるということです。
Linking Daily Stress Processes and Laboratory-Based Heart Rate Variability in a National Sample of Midlife and Older Adults. Psychosomatic Medicine, 2016