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仕事を自宅に持ち帰ると疲れが取れない

心理

Posted on 2017.12.29

今日からお正月休みの方も多いと思います。仕事納めまでに仕事が終わらずに、自宅に資料を持ち込んでお休みしている方も多いと思いますが、ちょっと気になる研究成果をご紹介します。
スイスのチューリッヒ大学の研究で、休日に自宅に持ち帰って仕事をしたり、自宅で仕事関係者のメールチェックをする人は、自宅で仕事をしない人に比べて疲労度が高く、幸福感が低いことが、2017年12月12日のオンライン版『Journal of Business Psychology』で発表されいました。
この研究は平均年齢42.3歳でドイツ語圏で生活する男女(男性が55.8%)1916人を対象に実施されたもので、被験者の50.1%が週40時間以上働いていました。そして週末に自宅で仕事をしたり、仕事関連のメールをチェックするかどか、身体的・精神的な疲労感、幸福感などについて質問しました。
その結果、仕事時間と自由時間の明確な隔たりがなく、自宅で仕事をしたり、自由時間に仕事のことを考える頻度が高い人は、そうでない人に比べて疲労感が強く、幸福感が低いことが明らかになりました。
これについて研究者は、「仕事の効率を高めるためにも、自宅に仕事を持ち帰ったり、休み中に仕事のことを考えないようにして、仕事時間と自由時間の境界をしっかりと区切って生活する必要が、身体的・精神的な疲労を蓄積させないためにも重要で、最終的には仕事の生産性と想像性を高めることになる」と述べています。
Wepfer, A.G. et al. Work-Life Boundaries and Well-Being: Does Work-to-Life Integration Impair Well-Being through Lack of Recovery? Journal of Business and Psychology, 2017