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朝食をいっぱい食べるとお腹が空かない

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Posted on 2022.9.24

朝食を多く食べるとお腹が空きにくくはなるものの、カロリーの代謝が良くなるわけではないことが スコットランドのアバディーン大学の研究で明らかになり、2022年9月の「Cell Metabolism」に掲載されました。

この研究では過体重または肥満の男女30人(男性16人)を対象に、朝食が多めの食生活を4週間続けた場合と、夕食が多めの食生活を4週間続けた場合の体の変化を比較観察しました。

その結果、被験者のエネルギー消費量と体重減少量は、朝食が多くても夕食が多くても差がないことがわかりましたが、朝食を多く食べるほうがその後の食欲が抑制されて、満腹感を長時間維持できることがわかりました。

ダイエットの王道は、王様のように朝食を食べ、昼食は王子のように食べ、夕食は貧民のように食べなさい」という昔の言い伝えは、食欲を抑えることで、食べる量をコントロールでき、ダイエットが苦痛に感じないという点では正しいようですが、朝食を多く食べたほうが代謝が変化して消費カロリーが増えるということとは関係がないようです。

研究チームは、今後シフトワーカーなどを対象として、食事時間と代謝、食欲などの関係性を調べ、人々のライフスタイルに合わせて最適で現実的なダイエットプログラムを探求していくそうです。

【出典】 Leonie C. Ruddick-Collins, Peter J. Morgan, Claire L. Fyfe, Joao A.N. Filipe, Graham W. Horgan, Klaas R. Westerterp, Jonathan D. Johnston, Alexandra M. Johnstone. Timing of daily calorie loading affects appetite and hunger responses without changes in energy metabolism in healthy subjects with obesity. Cell Metabolism, 2022; DOI: 10.1016/j.cmet.2022.08.001