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【ビューティー】選手のケガが多かった冬季バンクーバーオリンピック

運動

Posted on 2010.9.13

skiフィ ギュアスケートの浅田真央選手や高橋大輔選手、スピードスケートの女子チームの活躍が記憶に新しいバンクーバーオリンピック。しかしその反面、メダルの期 待もあった日本のスノーボードの藤森由香選手など、負傷に泣く選手も数多く出ていた大会だったことが、ノルウェーのオスロ・スポーツサイエンス・スクール のLars Engebretsen博士らがBritish Journal of Sports Medicine 9月号に発表した研究で明らかになりました。
世界82の国と地域から2567人の選手が参加したバンクーバーオリンピッ クでしたが、研究によると参加選手の11%が負傷し、7%が呼吸器などの病気になったということです。具体的には大会期間中に負傷した選手は287人、 185人が病気になり、女子選手の方が男子選手よりも負傷したり病気になったりする割合が高く、負傷者数は多い順に種目別ではアイスホッケー82人(参加 選手全体の負傷率18%)アルペンスキー46人(15%)ボブスレー32人(20%)スノーボード・クロス29人(35%)フィギュアスケート21人 (14%)シュートトラックスケート20人(18%)でした。負傷の部位では顔・頭・脊椎・頚椎・膝が多く、種類では挫傷,捻挫、肉離れが主要なもので、 発生時は練習中が54%、競技中が46%でした。
とりわけ頭や膝の負傷は選手生活からの長期の離脱を余儀なくされ、膝の十字靭帯断裂などは 競技生活からの引退を意味する重篤なものだけに、博士は競技での負傷の発生を防ぐための危険な因子を減らしていく科学的アプローチが求められており、予防 プログラムの実証的な研究を進める必要があるとしています。