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【ライフスタイル】エアロビックエクササイズ(有酸素運動)が不眠症には効果的!

運動

Posted on 2010.9.28

米国・イリノイ州シカゴ・ノースウェスタン大学医学部のPhyllis Zee教授らがSleep Medicine 10月号に発表した研究で、中高年者の不眠症は有酸素運動を行うことで改善されることが医科学的に明らかになりました。
教授らは、55歳以上の普段ほとんど体を動かさない不眠症の中高年男女17人(平均年齢61.7歳、男性1名女性16名、過去3ヶ月間睡眠持続時間が平均 6.5時間以下、PSQI・ピッツバーグ・スリープ・クオリティ・インデックスが5以上)を対象に、2グループに分けて有酸素運動の効果を調査する介入実験を行ないました(PSQIは睡眠の質を測る質問紙調査で本人と寝室を同じくするパートナーが回答するもので合計得点が5以上だと重篤な睡眠障害と推定されます)。
earo①グループは20分2回1セット、または1回30-40分の有酸素運動を週に4回で、それを16週間続けました。被験者はウォーキング、トレッドミル、エアロバイクの3種類のうち最低2種類を選び、それを最大心拍数(220-年齢)の75%の強度で行いました。
② グループは有酸素運動に変わって1回約45分間の料理教室や美術館巡りなど文化的リクリエーション活動を週に3-5回、16週間続けました。実験にあたり両グループとも同じ良い睡眠衛生(良い眠りのための睡眠環境や日々の睡眠習慣など)についての教育を受けました。16週間後、参加者の睡眠状態を調査したところ有酸素運動を行った①グループでは、入眠までに時間や睡眠持続時間の改善、抑鬱や昼間の眠気、活力などが改善して、PSQIが平均4.8も低下しており、平均1.8低下の②グループに比べて統計的に有意に改善効果が認められました。
 
教授はこの結果から、有酸素運動は中高年の慢性睡眠障害に有効であることが確認されたとしています。