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【ライフスタイル】ヨガで痛みが和らぐ!線維筋痛症の女性患者に対する効果を立証

運動

Posted on 2011.8.2

yogaカナダ・トロントにあるヨーク大学のJoel Katz教授らがJournal of Pain Research 2011年7月号に発表した研究で、ハタ・ヨガをすることで線維筋痛症女性患者の慢性痛による生理的・心理的苦痛が、緩和、減少するこ とが明らかになりました。
線維筋痛症は慢性的な広範な筋骨格痛と疲労感、抑うつ、副腎不全(低水準の血中コルチゾール)で特徴付けられていますが、教授らは今回ヨガをすることによって、血中コルチゾールを変化させることで、患者の症状が緩和するのではないかと考え、実験を行いました。
実験は22人の線維筋痛症患者を対象に、75分間のヨガのレッスンを1週間に2回で、8週間継続して実施され、参加した患者は、ヨガの前後に唾液を採取され、コルチソールの水準を検査されました。
また参加者は実験開始前と期間中、8週間のヨガ・レッスンプログラム終了時点で、痛みの強さなどの自覚症状について調査されました。教授らによれば、コルチ ゾールは起床後30~40分後にピークとなり、その後、就寝時まで減少していくパターンが理想的で、線維筋痛症患者の女性はコルチゾールが調節不全に陥っ て、低水準のままのパターンになりやすいということです。
実験後データを分析した結果、唾液中のコルチゾールはヨガプログラム参加後のほう が参加前よりも統計的に有意に上昇しており、ヨガの効果が確認されました。また参加者の自覚症状レベルでも参加後のほうが痛みが減少しており、また「もう 嫌だ、もう人生は絶望的だ」というような心理状態になることも減っていました。
こうした結果から教授らは、ヨガをすることで交感神経系の活 動が低下し、身体がリラックスして心拍数や呼吸がゆっくりとし、そのことによって、ストレス反応で活発化するHPAアクシス(視床下部・下垂体・副腎皮質 系)の活動に効果的に作用して、このような治療的効果が生じるのではないかとしています。