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【ボディワーク】有酸素運動が認知症リスクを低下させる!

運動

Posted on 2011.10.4

aerobicsどのようなスタイルの身体活動、エクササイズ、ウォーキングであっても心拍数の増加を伴う有酸素運動が、認知症の発症リスクを低下さ せ、一旦発症しても進行を遅らせるのに効果があることが、米国・ミネソタ州ロチェスターのメイヨー・クリニックの J. Eric Ahlskog博士らが、Mayo Clinic Proceedings 2011年9月号に発表した研究で、明らかになりました。
博士らはこれまでに、発表された多くの身体活動と認知症の関係についての研究から、データの条件が合う130の研究論文を選別し、メタ分析を行いました。
その結果、①中年期の運動は高齢になってからの認知症リスクと軽度認知機能障害のリスクを低下させていること、②認知症を発症した患者と軽度認知障害の患者 を対象とした無作為化対象実験で、6ヶ月から12か月運動プログラムに参加した患者は、参加しなかった患者よりも、症状の悪化が遅くなり、認知テストのス コアが高いこと、③無作為化対象実験で、健康な成人に有酸素運動を継続させた場合、認知能力が改善すること、④高齢者が1年間有酸素運動を継続すると、海 馬が大きくなり、空間記憶が改善すること、⑤高齢者は有酸素運動すると、加齢に伴って生じる脳の灰白質の減少が抑制され、わずかになること、⑥体をよく動 かしている高齢者と、そうではない高齢者を比較すると動いている高齢者のほうが、海馬が大きく灰白質が多いこと、⑦機能的磁気共鳴画像法を使用した研究で 6ヶ月から12ヶ月有酸素運動を続けると、脳の認知ネットワークが改善していることが画像から明らかであること、⑧有酸素運動が脳血管リスクを低下させる ことで、認知症リスクの低下に寄与していること、などが明らかになりました。
この結果から博士らは、体を動かすこと、特に有酸素運動は、認知症の予防と改善に効果的であり重要な治療戦力と言えるので、軽視されてはならないとしています。