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【ボディワーク】マラソンでの心突然死は最後の5kmで起きる!

運動

Posted on 2012.10.27

marものまねタレントの松村邦洋さんが東京マラソン2009に参加してランニング中に心室細動の心停止を生じ救急措置により一命を取り留 めたことを記憶されている方も多いと思いますが、米国・フィラデルフィアで2012年10月16日~20日に開催されたAAFP2012(the annual meeting of American Academy of Family Physicians)でCrozer-Keystone Health SystemのKeven M. DuPrey博士らが発表した研究で、マラソンランナーの心停止、心突然死はレース後半、特にラストの5kmを切った以降に多く発生していることが明らか になりました。
博士らは米国のマラソン競技メディカル・ディレクター400人の協力で、1976年から2009年までに開催されたマラソン 競技における心停止、心突然死の発生状況を調査しました。調査データの対象となった参加者の延べ人数は約170万人、開催されたマラソン大会の規模は参加 者が30人から3万人まで幅広いものでした。
調査データで報告された心停止は30件で、22件が24km以降に起きており、その内16件はラスト5kmで起きていました。心停止を生じた後に一命を取り留めた件数は20件でその内17件は即座にAEDを使用したことによるものでした。
今 回のデータから心停止はマラソン参加者57.000人に1人、心突然死は171.000人に1人の確率で生じており、また心停止を生じた93%が男性で、 その平均年齢は49歳でした。心突然死を起こして亡くなったランナーの10人の検死解剖によると、7人に冠動脈疾患があったということです。
この結果から博士は、マラソン参加者は事前に心血管を中心に十分な健康診断を受けることが重要であり、また大会主催者はAEDの即座の対応、特にゴール付近での対応が可能な状況にしておくべきであるとしています。