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【ライフスタイル】うるさい所でも眠れる能力は脳波で予測できる

Posted on 2010.8.11

nemuri周りの環境がどうであれ寝付きが良く、すぐに深い眠りに落ちる人と、環境が変わったり少しでも物音がしたりするとなかなか眠れなかったり、すぐに目が覚めてしまう人がいることは経験的に知られていることだと思います。
米国・MGH・マサチューセッツ総合病院・ハーバード大学医学部で睡眠医学担当するJeffrey Ellenbogen准教授らがCurrent Biology 8月10日号に発表した研究で、周囲がうるさくても眠れる人は、脳波の波形が違うので眠る能力を予測できることがわかりました。
准教授らは12人の健康な被験者(男性4人女性8人、平均年齢26.3歳)を3晩続けて研究室に宿泊させ、毎晩彼らの脳波を測定しました。最初の晩は静かな環境で眠らせました。2、3晩目の実験では被験者たちは定期的に騒音にさらされ、その騒音は彼らの脳波が、もはや眠っていないということを示すレベルまで大きくされました。
データを分析した結果、静かな晩に眠っている間に睡眠紡錘波という脳波の波形がより多く記録された被験者は、うるさい晩の実験で騒音に対する耐性(周りがうるさくてもなかなか起きないということ)が高いことが分かりました。この結果から准教授は、今後は寝付きの悪い人の快眠のために、どのような方法(薬や器具)を使っていけば睡眠紡錘波が多く出るのかを研究する必要があるとしています。