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【メディカル】聴覚障害者の視覚力がすごい理由・聾猫の研究で明らかに!

Posted on 2010.10.16

neko先天的もしくは生後間もないころからの聴覚障害者や視覚障害者が、一般人にはない視覚力や聴覚力など残された他の感覚に優れた能力を持つようになることはよく知られていますがこれまで何故、またどのようにして、そうなるのか明確な説明がありませんでした。
この度カナダ・Western Ontario大学のStephen Lomber准教授らがNature Neuroscience 10月10日オンライン版に発表した研究で、そのプロセスの一部が明らかになりました。准教授らは人間以外で唯一先天的聴覚障 害を持つことが確認されている猫を使用して、聾猫と普通の猫を比較研究しました。准教授らが聾猫を調べたところ、彼らは耳が聞こえない代わりに視野の周辺 部分の視覚認知能力と動体視覚認知能力(目に見える範囲の周辺部もよく見え、少しでも動くものがあればそれを見つけることができる)が、耳の聞こえる猫よ りも優れていることがわかりました。さらに猫の脳を調べたところ、聾猫では耳の聞こえる普通の猫の聴覚皮質部分の周辺音を認知することに使用されている部 分が、視野の周辺部分を認知するために機能していることがわかりました。
つまり周辺部分を知覚するという機能は同じながら、聾猫は耳が聞こ えないため脳のその部分を視覚のために使用しているということです。准教授らはこうした結果から、脳は非常に効率的にできており、ある感覚入力が喪失して もそのための部分を無駄にすることなく使わずに放置したままになどせず、失われた感覚を補うような、必ず何らかの利益をもたらすよう機能するのが明確に なったとしています。