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人を不快にさせる音の脳神経メカニズムが明らかになった!

Posted on 2012.11.25

 


爪で黒板を引っ掻いた時に発する音。この音の不快さは聴いている時だけではなく、思い出しただけでも身体に不快感が蘇るという方も多いのではないで しょうか。

英国・ニューカッスル大学のDr Sukhbinder Kumar博士らがJournal of Neuroscience 2012年10月10日号に発表した研究で、不快感を呼び起こす音は音声情報を処理する大脳新皮質の聴覚野と、扁負の感情を処 理する時に活動する扁桃体の交互作用によって生じていることが明らかになりました。

博士らは13人の被験者を対象にfMRI(磁気共鳴画像法)を使用して、しばしば不快な音の代表に挙がる音(ガラス瓶をナイフで擦る音など)や、心地よい音(水の弾ける音など)を聞かせた時の被験者の自己報告による不快の程度と、その際の脳活動を詳しく分析しました。

その結果、不快な音の時には不快であればあるほど扁桃体と聴覚野が活発に活動していることがわかりました。そして不快な音は周波数では2.000~5.000Hzの範囲であることもわかりました。

博 士らが使用した74種類の音源で不快とされた音を順位づけすると、ワースト1は瓶をナイフで擦る音、以下ワースト順位を挙げると不快な順からグラスを フォークで擦る音、黒板をチョークで擦る音、瓶を定規で擦る音、黒板を爪でひっかく音、女性の悲鳴、アングルグラインダーの音、自転車のブレーキの音、赤 ちゃんの鳴き声、電気ドリルの音だそうです。