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ハト派とタカ派ではリスク判断時の脳活動エリアが異なる!

Posted on 2013.2.22

 

政治的な主張でリベラル主義を「ハト派」、保守主義を「タカ派」とするならば、米国では民主党がハト派で共和党がタカ派、日本では明確に分けるのが困難かもしれませんが2大政党を敢えてこの基準で弁別するなら、民主党がハト派で自民党がタカ派というくくりで語られるように思われます。

こうしたハト派とタカ派の生まれる背景に、リスクを判断する際に機能するその人の脳の活動エリアの違いがあることがことが英国・エクセター大学のDarren Schreiber博士らが、2013年2月13日のPLOS ONE に発表した研究で、明らかになりました。

博士らは共和党と民主党の支持者合計82人(男性35人女性47人)を対象に、実験を行いました。

実験は被験者に金銭的なリスクのかかる賭けをさせて、その際の脳の活動部位を調べるというものでした。

民主党支持者も共和党支持者もリスク判断のパターンに違いはありませんでしたが、脳画像を分析した結果、賭けのリスク判断をしているとき、ハト派の民主党支持者は、社会関係認知と自己の身体状態認知などに関与すると考えられている脳の「左島皮質」が活発に活動していたのに対して、タカ派の共和党支持者では、危険を察知したときに生じる闘争-逃走反応に、深く関与していると考えられている、「右扁桃体」が活発に活動しており、両者に明らかな違いがありました。

画像の活動部位の違いから、どちらの支持政党かを推測したところ、82.9%の正解率でした。

こうした結果から博士らは、有権者の脳神経学的な違いを詳しく研究することで、有権者の投票行動に関して、これまでの政治学の手法よりも、深い洞察が得られるのではないかとしています。
PLoS ONE 2013年2月13日