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ヘディングを繰り返すと脳が損傷し記憶力が低下する可能性が…

脳運動

Posted on 2013.6.17

 


サッカーの国際大会コンフェデレーションズカップのブラジル戦では残念な結果に終わってしまった日本代表ですが、サッカーのエキサイティングな魅力のひとつに、ヘディングがあります。

ニューヨークのアルバートアインシュタイン医科大学のMicheal M Lipton博士らの研究によると、サッカーのヘディングを繰り返すことで、脳の白質が損傷され、記憶力が低下する可能性があることがわかり、2013年 6月11日付のオンライン版「Radiology」に発表されました。

この研究は平均年齢31歳で、サッカー歴22年のアマチュアサッカー選手37人を対象に行ったもので、練習中と試合中のヘディングの回数、脳震盪を起こした経験の有無、記憶力テスト、MRI検査などを行いました。

その結果、選手たちは平均して1試合に6~12回ヘッディングをしており、年間では32回から5400回ヘディングをするという、選手ごとの大きなばらつきが見られ、今回の被験者のヘディング回数の平均は432回でした。

結果を分析した結果、年間1800回以上のヘディングを行う選手は、脳の白質に損傷が見られ、記憶力に問題があることがわかりました。脳震盪の経験の有無は関係していませんでした。

この結果について、研究者は、今すぐにヘディングの危険性を指摘する必要はないものの、選手の健康と安全なプレーのために、さらなる研究が必要で、その結果をもとに適切なヘディングの回数などを推奨する必要があることを指摘しています。

Lipton M, et al "Soccer heading is associated with white matter microstructural and cognitive abnormalities" Radiology 2013