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【メディカル】知的障害は両親からの遺伝によるとは限らないことが明らかに!

性と生殖

Posted on 2012.10.2

idenドイツ・ニュルンベルク市にあるInstitute of Human Genetics at Helmholtz Zentrum MünchenのTim Strom博士らがThe Lancet 2012年9月27日オンライン版に発表した研究で、脆弱性X症候群やダウン症によるものではない知的障害の約50%は、両親からの遺伝ではないランダムな突然変異に由来することが明らかになりました。
博士らはドイツ知的障害ネットワークに登録している知的障害があり知能指数の低い子供たちを被験者として、本人と彼らの両親の遺伝子を詳しく分析しました。
その結果、知能指数の低い知的障害を有する子供で、両親には点突然変異(ポイント・ミューテーション)が見られず、またなんら身体的特徴や明らかに遺伝子コピー数の異常がなかった場合の約50%のケースについて、遺伝子コード上のわずかな挿入や欠損によるものであることがわかりました。
博士らは今回の研究結果から第2子も非症候性知的障害になるリスクがわずか8%であることの理由が説明可能になったとし、そうした知的障害児を持つ両親にとって、第2子以降で同様のリスクが低いことがはっきりしたことは朗報であるとしています。