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男性は食欲より性欲、女性は性欲より食欲。やっぱりね…

性と生殖

Posted on 2014.10.27

神経学的な研究の結果から、男性は食い気より色気、つまり食欲よりも性欲が勝り、女性は色気より食い気、つまり性欲よりも食欲が勝っていることが、米国ロチェスター大学の研究で明らかになり、2014年10月の『Current Biology』で報告されました。
これは線虫を用いた研究結果によるもので、線虫の雄と雌雄同体(雌)に、エサになる食べ物の香りの刺激を嗅がせると、雌雄同体(雌)の方が食品の香りに夢中になり、雄は雌雄同体よりも短時間で食品の香りに対する関心を失ってしまうことが明らかになりました。
こ のメカニズムに関して研究者たちがさらに分析を進めていくと、線虫の感覚神経のAWAという匂いの感覚を司る神経のうち、ODR-10受容体という食べ物 の匂いを受け取る受容体が、雄よりも雌雄同体(雌)に多いことが明らかになり、雌雄同体(雌)のODR-10の働きを抑制すると、食べ物の匂いに敏感にな らないことが確認されました。この結果について研究者らは、このような神経系のメカニズムの違いが男女の行動の違いを生み、男女によって疾患感受性(発症しやすい病気の傾向)が異なることなどが影響しているため、神経系の研究が非常に興味深い研究領域であることを強調しています。
Sex, Age, and Hunger Regulate Behavioral Prioritization through Dynamic Modulation of Chemoreceptor Expression. Current Biology, 2014
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