投稿

緑茶とがん抑制効果

大量の緑茶成分の摂取でリスクの高いがんの病変部分の進行を抑制するかもしれないことを11月号の『Cancer Prevention Research』で、アメリカ・テキサス大学のヴァッシリキ・パパディミトラコプル博士らが報告したました。

この研究は39人の舌など口の中にリスクの高い重症でない初期のがんの病変が確認された患者をそれぞれ緑茶抽出物が500㎎、750㎎、1000㎎入ったカプセルを1日3回、12週間投与したグループと、プラセボを投与したグループで比較。

その結果、少なくとも緑茶抽出物を投与したグループのがんの病変部分がプラセボグループに比べて50%も縮小したそうです。

これについて博士らは、緑茶に含まれる抗酸化力の強いカテキンというポリフェノールががんの進行を遅らせることに関連しているのかもしれないと述べました。

しかし緑茶抽出物の大量投与は、不眠症やイライラなどを伴うことも多く、カプセルではなく、お茶で飲もうとすると、1日24杯も飲まなければならないため、かなり困難だとしています。

primary source: *Cancer Prevention Research

シワの原因と対策

お顔のしわはアンチエイジングの大敵です。私はしわを下記のように分類してみました。

紫外線、乾燥、表情のくせ、筋肉の老化、痩せ&太りすぎ、間違ったスキンケアなど、意外な理由でシワが増えてしまうので、ぜひチェックしてください。

詳細はオールアバウトアンチエイジング「しわの種類・原因・対策」の記事をご覧ください。


1.紫外線じわ

□肌にハリがなく、たるんでいる
□日に焼けて真っ黒になったことがある
紫外線対策を一年中行なっていない

2.乾燥じわ

□目の下や口元に細かく小さなしわができ始めた
□肌の表面がカサカサして突っ張っている

3.表情じわ

□ひたい、目のまわり、口元を動かすとしわができる
□眉間にしわを寄せるなどのくせがある

4.筋肉老化じわ

□顔全体がたるんで頬や口元、目元にうっすらとしわがある
□無表情で顔の筋肉をあまり動かさない
□最近太った

5.やせじわ

□顔全体にしわが目立つ
□急に痩せた
□バランスのいい食事をしていない

6.スキンケアじわ

スキンケアやマッサージをがんばっているのにしわができる
□力を入れてマッサージするのが好き

「健康的な街」が糖尿病リスクを下げる

 

アメリカフィラデルフィアのドレクセル大学エイミー・オーキンクロース博士らが10月12日付の『Archives of Internal Medicine』で発表した内容によると、運動施設や健康的な食生活を送れる住環境が2型糖尿病のリスクを下げるそうです。

この研究はボルチモア、ブロンクス、ノースカロライナのウインストン・セーラムの3都市でそれぞれ異なる環境に住む住民のうち、45歳以上の2285人を対象に2000年から2002年に健康チェックを行い、その後18ヶ月ごとに定期的に健康チェックが行われた結果をもとに分析したそうです。

結果については、健康的な住環境に住む住民のBMIが、そうでない不健康な住環境に住む住民のBMIよりも5ポイントも低かったこと(つまり健康的な住環境に住むと、肥満になりにくいことが糖尿病のリスクを引き下げているかもしれないこと)と大きく関連しているようです。

追跡調査の結果、全体の被験者の約10%が2型糖尿病を発症し、最も健康的なエリアに住む住民の糖尿病の発症率は7%にとどまったのに対し、最も不健康なエリアに住む住民の発症率は13%と高かったそうです。

この結果について、サンフランシスコ公衆衛生局のミッチェル・カッツ博士も、健康的な生活を望む人々には、健康的な住環境を選択する傾向がすでにあることを指摘しています。

しかしながらカッツ氏は、もっと健康的な場所に住もうと動機付けるように人々を考え直させることは不可能であるとも述べています。

また実際のアメリカの住環境に関して、安全にウォーキングをしたり、健康的な食品を手に入れることが難しく、むしろ人に動機付けをするよりも、環境を再整備することのほうが価値があることだといいます。

さらに、ちょっと以前はクルマに現在ほど依存せず、駅や公共の交通機関の施設まで歩いていたことなど、ライフスタイルの変化も影響しているとカッツ氏は考えています。

オーキンクロス博士らは、歩道を広げて、歩いたり走ったりしやすいように街を整備したり、加工食品ばかり食べないように、地域の農民による朝のマーッケットを定期的に開いて、野菜や果物を食生活に取り入れやすいように、街づくりを考え直すべきだと指摘しています。

Primary source: Archives of Internal Medicine

 

通キング、夜スポ、ながらスポーツ、0円スポーツが不況で人気

         
 
不況の中、お金と時間を節約しながらスポーツをする人が増えているそうです。日本生産性本部の『レジャー白書2009』によると「レジャースポーツ参加率」は「マラソン・ジョギング」「ゴルフ(コース)」「ゴルフ(練習場)」「サイクリング」の順。
また2009年9月に日本コカコーラが20~39歳の男女400人を対象に『第1回アクエリアス・スポーツ実態調査』というインターネット調査を行なった結果でも、「この1、2年間に始めたスポーツ」は
1位 ウォーキング
2位 ジムでのトレーニング
3位 ジムでのランニング
4位 自宅でのトレーニング
5位 サイクリング等自転車

「この1、2年間で始めたスポーツのうち、最もよくするもの」については
1位 ウォーキング
2位 ジムでのトレーニング
3位 ジョギング・ランニング
4位 ヨガ
5位 ゴルフ

これらのスポーツを始めた理由は
1位 体型維持・ダイエット
2位 健康維持・体力向上
3位 ストレス発散
4位 長くできるスポーツだから
5位 何か趣味を持とうと思った

スポーツを始めた人が実際にスポーツをする頻度は、「週に2.4回」で平日にスポーツをする人の中には仕事が終わった夜にスポーツをする人が増えています。残業や接待の飲み会なども少なくなり、平日に時間の余裕ができたからでしょうか。たしかに私が通っているスポーツクラブでも、平日の夜にスーツ姿でチェックインするビジネスマンをたくさん見かけるようになりました。

またスポーツにかけるお金については「0円」が男性が30%、女性が21%もおり、ジョギング・ランニング・サイクリングなどを始めた人は「0円」の人が50%。
スポーツを始める時に、新しい自転車を買ったり、新しい靴やトレーニングウエアを買う「形から入る人々」が減ったようです。

日頃記事を書いているので、とてもうれしい結果なのですが「仕事や日常生活でちょっとした運動を心がけている」という人は46.8%で、「エレベーターを使わずに階段を使う」「正しい姿勢」「長い距離を歩く」「仕事の合間にい簡単なストレッチ」「座ってできる太ももを浮かすなどの運動」「腹筋を意識しながら座る」「バランスボールに座る」など、日頃運動をしていない人も、運動を始めた人も同様に「ながら運動」を始める人が多いようです。「ながら運動、大いに賛成」です。

ウォーキングを始めた人は「通勤時にウォーキングを意識した歩き方をすることがある」という人が45.5%もおり、スポーツを始めたことがきっかけで、日常生活全体の中で体力を維持したり、筋肉をつけたり、きれいなプロポーション作りに目覚めているようです。
スポーツの秋、まずはちょっと長めに歩きませんか?

インフルエンザ流行でICUが大混雑だった南半球の冬

 

この夏、一足先に冬を迎えていたオーストラリアとニュージーランドでのインフルエンザの流行による医療機関の大混雑ぶりは、これから冬を迎える北半球にとっていい教訓になりそうです。

6月1日から8月31日までに2国でインフルエンザにかかった人は722人、そのうちICUを使った人は187人。これは住民100万人にたいして28.7人、19%のICUの施設がインフルエンザ患者によって利用されたことになると、オーストラリアロイヤルパース病院のスティーヴン・ウェブ博士らが『New  England  Journal of Medicine』のオンライン版に発表しました。

669人の患者のうち、336人のデータを分析することができ、48%の患者にウイルス性の肺炎や急性の呼吸器疾患がありました。

これは、過去4年間のH1N1の流行がなかった年では、肺炎によるICUの利用が57人しかなかったことと比べると、極めて高い数字でありことがわかります。

856人の患者を分析すると、722人は新型インフルエンザで、37人が季節性ウイルス感染、97人がA型インフルエンザだったことがわかり、それぞれの死亡率は14.3%、16.2%、13.4%でした。

ICUを利用した患者の特徴に関しては、1歳未満の子供の利用が最も多く、妊娠中の女性が9.1%、601人がBMIを測定しており、BMIが35以上の人が28.6%でした。32.7%が肺疾患やぜんそく慢性肺疾患を持っていました。

原住民のICU利用も高く、オーストラリアアボリジニは、人口の2.5%で、ICU利用は9.7%、ニュージーランドのマオリ族は人口の13.6%の人口比で、利用率が25%でした。

9月7日の時点で、103人が病院で死亡、5050人が退院、114人が入院中で、37人がまだICUに入院中。

これらのデータが、これから冬を迎える北半球にとっていい教訓になるといいですね。

 

ファンケル健康院

今月発売の『日経ヘルスプルミエ』の取材で、8月に銀座にオープンしたばかりの『ファンケル健康院』に行って来ました。

こちらは、遺伝子検査、体組成、運動能力、血液検査、脳年齢などのチェックをしながら健康アドバイスをおこなう施設。もちろんバランスボールやパワープレートなどの運動器具もあり、運動カウンセラーがその人に合わせて、ストレッチや筋トレなどのメニューを考えて、正しい運動方法もアドバイスしてくれます。

さらに、サプリメントの提案もあり、自己流でのんでいてイマイチ自分に合っているかどうか実感できない人にはおすすめです。

 

遺伝子検査、すごいです。まるで予言のごとくいろいろ思い当たることが遺伝子の特性として露見します。

家族に肥満の人が多く、勝手に「自分は太る家系、遺伝子もきっと肥満タイプで肥満遺伝子がある」と勝手に思い込んでいた人も調べてみるとなかったりすることも。

血栓ができやすい、脂肪の代謝が悪い、炎症に弱いなど、合計62種類の遺伝子を測定してくれます。

思い込みやあきらめの気持ちを払拭するためにも価値ある検査だと思います。

しみの種類・原因・対策

美肌の大敵・しみには、いろいろな種類があり、原因も対策も異なります。
私はしみを大きく10種類に分けて紹介しています。

詳細に関しては、オールアバウトで紹介しているので、ぜひ読んでください。

1. 角質汚れじみ……肌全体が黒ずんで透明感がなく肌色をくすんで見せる細かいしみ

2. ぼんやりじみ……頬、鼻の横、額などに左右対称にある色が薄めのしみ

3. 日焼け記憶じみ……頬骨やこめかみ周辺などにうっすら丸くできた平らなしみ

4. 肌荒れ記憶じみ……ニキビや肌荒れの跡にできたしみ

5. そばかす・・・・・・鼻や目のまわりにできる細かい斑点状のしみ

6. 強烈日焼けじみ……強烈に紫外線を浴びてできた花びら状のしみ

7. 摩擦じみ……皮膚を強くこすったり押したりして強い刺激を与えたときにできるしみ

8. 出っ張りじみ……頬やこめかみにできる茶色~黒っぽくて出っ張りのあるしみ

9. 青じみ……目のまわりや体にできる青っぽいしみ

10. 赤じみ……お酒を飲んでもいないのに頬や鼻が赤くなるしみ

インターネット中毒とADHD、切れやすい性格

 

         
 
台湾の高雄医科大学教授のチェン・ファン・イェン教授らは、10月号の『Archives of Pediatrics and Adolescent Medicine』に、ADHDの子供は72%、そして切れやすい傾向の子どもは67%もインターネット依存になるリスクが高いと発表しました。

うつ傾向や社会恐怖についても相関が見られ、その傾向は特に女の子に多いということです。

アメリカシアトルのワシントン大学ミーガン・モレノ博士トディミトリ・クリスタキス博士らも、インターネットが日常生活に織り込まれている現代社会では、インターネットの乱用や依存、中毒になることに不思議はないとコメントを寄せています。

しかし今のところ、インターネット中毒に関する明確な診断基準はありません。研究者の中には、インターネットへの没頭具合、利用時間、インターネットを使いたいという激しい衝動、禁断症状、意思決定力の欠如などを用いて程度を測っているようです。

チェン教授らは、2005年から台湾の10の中学校の協力で、2293人の中学生を対象に調査を開始しました。そしてこのうちの10.8%がインターネット中毒の傾向があると診断されました。そしてそのうちで男子が女性の約2倍、オンラインゲームを利用する子供が1.8倍、毎日インターネットを利用する子供が1.47倍、週に20時間以上インターネットを利用する子供が1.9倍、インターネット中毒でない子供に比べて多かったそうです。

心理的な側面での特徴は、うつ傾向が1.56倍、ADHAが2倍、社会恐怖が1.35倍、切れやすい性格が1.83倍でインターネット中毒になる危険因子として注目に値する結果となりました。

これについてチェン教授らは、「ADHDを引き起こす原因のひとつであるドーパミンの不足が、インターネットを利用することによって、ドーパミンが分泌促進されるのかもしれない。また自制心の欠如がインターネットの使用を中止させるのを困難にするかもしれない」と分析します。

また切れやすい性格については、「現実社会では許されない激しい怒りのぶつけどころとして、インターネットを利用しているのかもしれない」と言います。

ストレスには自分に甘くなるのがいいのでは?

          

 

現代人はさまざまなストレスに囲まれながら生活し、それが私たちの心と体にいろいろなダメージを与えています。

老化はそのようなダメージによって生じた身体機能の衰えを総称した言葉ですから、老化を少しでも遅らせたり、食い止めたりするには、ストレスについて理解を深めて、ストレスから受けるダメージをコントロールすることが大切です。

まず最初にストレスの種類について次のように分類してみました。

【主なストレスの種類】

①     慢性心理ストレス……職場、学校、家庭などの問題などで感じる不安

②     急性心理ストレス……突発的で衝撃の大きいストレス。家族や友人の死、失業、事故などで受けるダメージ。

③     身体的ストレス……睡眠不足、気温の変化、騒音、大気汚染など自然や環境などから受ける体のダメージ。

④     テクノストレス……ゲーム中毒、ネット依存によって心身が受けるダメージ。

⑤生理的ストレス……加齢や生活習慣など、私たちが生命活動を続けることによって受ける老化や生体機能の衰え。

このようにさまざまなストレスがありますが、締め切りやプレゼン、多忙、対人接触などでの「適度なストレス」は私たちを前向きに、ストレスや困難に立ち向かおうという意欲を沸き起こしてくれます。

生きている限り、ストレスから逃れることはできませんが、ストレスに対して強くなるように自分を変えることはできます。またストレスを少なくするような環境を整えることも可能です。

私がストレスを感じた時に実践している「ちょっぴり自分に甘くなる心の持ちよう」です。

・     自分が感じているストレスを客観的に自覚する。

・ そのストレスに対して自分が今できることを整理する。

・ 悪い方向に考えすぎず、過大な期待も持たない。

・ 失敗した時の対処法を準備する。

・ 今まで自分が成功した経験を思い出し、自信を回復する。

・ 周囲の反応や視線を気にしないで自分のやれることを70%ぐらい達成できるように目標を下げておく。

・ 運動して体を疲れさせる。

・ 今食べたいものを食べる。

・ 体を温めて眠りやすい態勢を整える。

病気は最大のストレスですから、基本は心も体も健康であること。そのために、毎日少しずつ小さな目標をクリアして、小さな成功を収めた自分をほめて労わり、自分を大切に生きることがストレスをためない秘訣ではないかと考えています。

羊からDHA、EPA?魚油?

 

オーストラリアのスリンダー・シン教授によると、動脈硬化や関節リウマチなどの予防、治療に効果があるといわれる青背の魚に含まれる油の一種DHAやEPAを大量に含んだ羊や穀物の品種改良の研究が、オーストラリアのタスマニア大学で進行中。2015年には商業ペースにのる可能性があるかもしれないと報告しました。

羊の肉には、脂肪をエネルギーに変換するときに必要なカルニチンを多く含むため、最近とくに注目されています。
しかしどうやらオーストラリアでは、羊が食べる飼料の穀物に、海草や藻由来の成分を加えることで、食物連鎖の力を借りて、魚の油に含まれるDHAやEPAをたくさん含んだ羊を生産しようという考えです。

すごいですね~~~~。っていうか、
「イワシ食べればいいじゃん!」って思うのは、日本人だけでしょうか??

なんか、イワシっぽい匂いがする羊とか、サバっぽい味のする牛肉とか、魚臭いジンギスカンとか…あまり食指が伸びませんよね。
 
The World Congress on Oils and Fats and 28th ISF (International Society
for Fat Research) Congress