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片足立ちで脳の健康状態がわかる!

phm11_0013-s京都大学の研究で、20秒以上の片足立ちで脳の健康状態をある程度見分けられることが明らかになり、2015年1月号の米国心臓協会の雑誌『Stroke』に掲載されました。
こ れは平均年齢67歳の男性546人、女性841人の合計1387人を対象に、目を開いて片足立ちをしてもらい、MIR画像を撮影した結果を分析したもの で、ラクナ梗塞(細い動脈が詰まって起こる微小な脳梗塞)が2つ以上ある人で、20秒以上片足立ちができなかった人は34.5%、ラクナ梗塞が1つある人 は16%が20秒以上片足立ちができませんでした。また脳に微小出血が2カ所以上ある人の30%、微小出血が1つある人の15.3%が、それぞれ片足立ち ができなかったそうです。

片足立ちならすぐにできるので、皆さん試してくださいね!
ちなみに、片足立ちを練習すると脳の健康状態が良くなるという記載はありませんでした。

“Association of postural instability with asymptomatic cerebrovascular damage and cognitive decline: the Japan shimanami health promoting program study.” Stroke. 2015 Jan

朝ウコンで記憶力アップ!

o0640042713195190546オーストラリアのマーク・モナッシュ大学の研究によると、カレーのスパイスとして有名な「ウコン」を朝食と一緒に摂取すると、短期記憶を改善することが明らかになり、2014年12月の『Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition』で紹介されました。カレーのスパイスとして有名なウコンですが、ウコンを朝食のときにたった1グラム摂取しただけで、記憶力が改善したということです。ウコンは、黄色い色をした香辛料ですが、その成分の「クルクミン」は、認知症のリスクを低下させるという結果も、動物実験から明らかになっています。今回の実験は、48人の糖尿病予備軍の男女を対象に行ったもので、朝食の食パンに、1グラムのウコンをかけて食べたときと、食べなかったときで、記憶力テストの結果を比較したものです。イチロー選手の影響で、朝カレーがだいぶ人気ですが、ウコンたっぷりの朝カレーにすれば、記憶力もアップして、認知症予防にもなりそう!

“Turmeric improves post-prandial working memory in pre-diabetes independent of insulin.” Asia Pac J Clin Nutr,2014;23(4).

子どもの睡眠が学業成績に多大な影響

o0640042713191625480寝る子は育つと言いますが、成長だけではなく、学業成績にも睡眠が大きな影響力を持っていることが、科学的に明らかになりました。

これは、カナダのマクギル大学とモ ントリオールのダグラス精神衛生大学院の共同研究によるもので、7~11歳のカナダ人の子ども75人を対象に、5日間、睡眠前に、腕時計型のデバイスを装 着してもらい、

子どもたちの睡眠リズムや睡眠の深さ、中途覚醒などの有無について調べ、さらに被験者の子どもたちの成績を比較しました。

その結果、良睡眠の質が良い子どもは、睡眠の質が悪い子どもに比べて、国語や算数の成績が良いことが明らかになりました。

子どもの学業成績を伸ばしたいのなら、まず第一に睡眠の質を高めてあげることですよ。

Sleep efficiency (but not sleep duration) of healthy school-age children is associated with grades in math and languages. Sleep Medicine, 2014

トランス脂肪酸で記憶力が低下?

カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究によると、トランス脂肪酸をたくさん食べる人は、食べない人に比べて、記憶力が劣っていることが明らかになりました。

こ れは、20代以上の男性と、閉経後の女性で心臓病などが見られない1018人を対象に行われた調査結果によるもので、被験者の食事調査で、日常的にトラン ス脂肪酸をたくさん摂っているグループから、トランス脂肪酸をほとんど取らないグループに分類して、彼らに単語を暗記してもらうテストを行いました。

その結果、特に45歳以下の男性の中でトランス脂肪酸を多く摂っているグループは、トランス脂肪酸を摂らないグループに比べて、単語の記憶力が10%も劣っていることが明らかになりました。

この結果について、研究者らは、今回の研究では、因果関係やメカニズムが明らかになってはいないけれども、トランス脂肪酸を多く食べる食生活を長年続けることは、脳の働きに何らかの悪影響を及ぼすリスクがあることを知っておくべきだと述べています。

“Trans Fat Consumption is Adversely Linked to Memory in Working-Age Adults” Presentation at American Heart Association Scientific Sessions 2014, 18 November 2014.

ビール原料ホップのポリフェノールに健康効果がいっぱい

hopールの原料として知られるホップから抽出されるポリフェノールにたくさんの健康効果があるそうです。

ホップポリフェノールはホップの苞から抽出される天然成分で、千葉大学の研究では、ヒトの胃に棲みついて胃がんを引き起こす原因の一つであるピロリ菌が放出する毒素を除去する働きがあるそうです。

また東京医科歯科大学の研究では、ホップポリフェノールが歯垢を除去する働きがあるとのこと。

さらに、オレゴン大学の研究でホップポリフェノールには記憶力の低下を抑制する働きもあるそうです。さらに京都大学の研究ではアルツハイマー病の発症を抑える効果も動物実験で明らかに!

ただしビールを飲んで同じ効果が期待できるわけではありませんので、飲みすぎないように!

Zamzow DR, Elias V, Legette LL, Choi J, Stevens JF, Magnusson KR. “Xanthohumol improved cognitive flexibility in young mice.”  Behav Brain  Res. 2014 Dec 15;275:1-10.

新し外国語を学んぶと脳細胞の働きが活発になる

phm11_0483-s米国ペンシルベニア州立大学の研究によると、外国語を学ぶことで、脳細胞のネットワークが活発に働くようになり、脳に良い刺激を与えていることが明らかになり、2015年2月号の『Journal of Neurolinguistics」に掲載される予定です。

こ の研究は、39人の英語を第一言語として話す人のうち、半分に新しい言語の学習を6週間続けてもらいました。残りの半分は何もしませんでした。6週間後の 脳の状態をMRIで調べてみると、新しい言語を学んだグループの人の脳に、より活発な脳細胞間のネットワークがあることが明らかになりました。

この結果について研究者は、新しい言語を学ぶことが、脳に良い刺激を与えていることが、科学的にも明らかになったと述べています。

Jing Yang, Kathleen Marie Gates, Peter Molenaar, Ping Li.  “Neural changes underlying successful second language word learning: An fMRI study.”  Journal of Neurolinguistics, Volume 33, February 2015, Pages 29-49.

スマホを指で操作すると脳に良い刺激を与える

t02200147_0640042713168860968スイスのチューリッヒ大学などの研究によると、スマホのタッチスクリーンを指で操作することによって、知覚、思考、記憶など、脳の高次機能を司る大脳皮質 の働きを高めることが明らかになり2014年12月の科学雑誌『Cell Press』の『Current Biology』というレポートで発表されました。この研究では、スマホのタッチスクリーンを、親指、人差し指、中指で捜査しているときの、脳波の変化を記録し、それを分析したもの。その結果、より長くスマホのタッチスクリーンの操作を行っている人ほど、指先からの刺激を大脳皮質に伝える部分の電気刺激の伝達が活発に刺激され、脳を活性化していることが明らかになりました。

Arko Ghosh et al. Use-Dependent Cortical Processing from Fingertips in Touchscreen Phone Users. Current Biology, December 2014

美しいものに触れると、美しい人になる

美しいものに触れると、美しい人になる。~美しいものを見たり触れたりすると、私たちの脳では「ドーパミン」という神経伝達物質が分泌されます。実はこれがやる気、集中力、前向きに生きる意欲、幸 福感を高めてくれるホルモン。脳科学的にも、美と健康、幸福の関係は実証されているのです。さらに「幸福ホルモン」とよばれる「セロトニン」という神経伝 達物質も分泌され、幸せな気分が高まります。続きは美と幸福にまつわるコラムで!

「針千本飲ます」は逆効果。脅すと子どもはますますウソをつく

「ウソついたら針千本飲ます」という、よく考えると、こわ~い「指切りげんまん」の歌。 実は「指切り」自体も、昔、遊郭で働く女性たちが、自分の誠意を示すために小指を切って渡したという習慣に関係しているという説もあります。ウソに対する 厳罰は、こうやって子どもの頃から刷り込まれているものの、その効果も乏しく、人は誰でもウソをつくものですね。実は、人がウソをついて しまう理由は、「厳罰を与えること」にあるということが、カナダのマクギル大学の研究で明らかになり、『Journal of Experimental Child Psychology』2015年2月号で発表される予定で、その概要が発表されました。この研究では、4歳から8歳まで の子どもに、興味を引きそうなおもちゃを与えた後に、おもちゃを子どもの後ろ側に隠し、研究者が1分間不在になる間に、振り返っておもちゃを見たり、遊ば ないよう約束させて、研究者が戻ってから、本当におもちゃを見なかったかどうかを子どもたちに聞きました。そのときのようすは隠しカメラで撮影されていま した。その結果、67.5%(251人)の子どもがおもちゃを見ており、そのうち66.5%(167人)が「自分は見ていない」とウソをつきました。ウソをついた子どもの数は、年齢が高くなるほど多くなりました。さらにこの研究では、「ウソをついたら罰を与える」と、研究者が子どもに告げた場合、ウソをつく子どもの数が増え、研究者が「真実を告げることが良いことだ」と子どもたちにあらかじめ説明しておくと、正直に事実を告げる子どもの数が増えたそうです。研究者らは、子どもにウソをつかないように教育する場合、罰を与えることは逆効果で、真実を話すことが良い行いであることを子どもに説明する方が、ウソをつかない教育をするためには、より重要であると述べています。

Victoria Talwar, Cindy Arruda, Sarah Yachison. The effects of punishment and appeals for honesty on children’s truth-telling behavior. Journal of Experimental Child Psychology, 2015

「悲しい曲」でカラオケが盛り上がる理由

phm23_0336-s忘年会、新年会シーンに欠かせないカラオケですが、底抜けに明るい長調の曲よりも、なぜか短調の悲しい曲のほうが盛り上がりますよね? 実はこれには科学的な根拠があるのです。理化学研究所の研究によると、苦しみや悲しみにさらされていない安全な状況で悲しい曲を聴いているとき、人は悲しい曲の世界を自由に空想しながら楽しみ、それに対する快感と認識しているから、悲しい曲が人気なのではないかということです。続きはこちら